仏教では「仏様はどの世界にもおられる」という考えであるので、仏壇を置く向きは決まっていません。
しかし、いくつかの置き方はあります。まず、東向き、つまり西側に置く方法です。東面西座説といわれるこの方法は、西の方角に死者が生まれかわるという西方浄土説に由来します。
またこの説は、東は日の出の方角で立身出世の象徴とされており、主人は東向きに座ると良いといわれるインドの慣習からきたものでもあります。そして、南向き、すなわち北側に置く方法もあります。南面北座説と呼ばれるこの方法は、王様や高貴な人は南を向いて座り、家来は北を向くという中国の慣習によるものです。
仏教においても、お釈迦様が説法をするときに南向きに座っていたといわれており、日本でも南向きが良いとされるようになったといわれています。